明徳二年(一三九一)創建
六三〇余年の歴史をもつ浄土真宗のお寺です
明徳2年(1391)創建
630余年の歴史をもつ浄土真宗のお寺です

今月の掲示板はアニメ・イラスト作家である谷口崇さんの、とても痛快な言葉です。この言葉を目にした時、深く共感しました。
「やまない雨はない」というフレーズはよく聞いたり、目にします。言葉の意味としては、「今つらいことがあったとしても、必ず乗り越えることができる」といったところです(よく似たフレーズに「明けない夜はない」もあります)。まことに殊勝な言葉ではありますが、私(住職)はこれを言われて嬉しかったり、救われたことはありません。それは「やまない雨はない」の続きに、「だから頑張れ」という言葉が隠れているからです。確かに「頑張れ」という言葉は相手を鼓舞したり、勇気づけたりする際には有効な言葉です。しかし、語りかける状況によっては厳しい言葉でもあります。本当につらくて悲しいときには「頑張れ」という鼓舞ではなく、「つらいね、悲しいね」と共感する言葉の方が温かく感じます。「頑張れ」といわれても、「ずっと頑張ってるのに、これ以上は…」と塞ぎこんでしまいたくなります。
医師で、浄土真宗の念仏者でもある駒沢勝先生は、「同治」と「対治」という考え方を紹介されています。「対治」とは、例えば発熱の時に氷で冷やして熱を下げること。「同治」とは逆に温めて汗をかかせ熱を下げること。また、悲しんでいる人に「悲しんでも仕方がない、元気を出せ」と励ますのは「対治」。一緒に涙を流し、共に悲しんで人の心の重荷を降ろさせるのが「同治」、といった具合です。そして医師として、治療にあたってどちらがよい効果をもたらすかといえば「同治」なのだそうです。「対治」が現状の否定であるのに対して、「同治」は現状をあるがままに受容するからだ、と述べておられます。
阿弥陀如来は「同治」の仏さまです。私に一切の条件をつけず、「どんなことがあっても、そのままのあなたを救うよ」と温かく喚びかけられています。そしてその呼びかけが「南無(まかせよ)阿弥陀仏(かならず救う)」なのです。そのままの私を認めてくれる存在に遇うことによって、苦しみの中でも生き抜くことができるのではないでしょうか。
合掌
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第30世住職 四夷 法顕
1985年生まれ
信行寺住職
相愛大学非常勤講師
NHK文化センター講師
毎日文化センター講師
浄土真宗本願寺派宗学院研究員
本願寺派布教使
文学博士
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